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要注意な建設廃棄物その②

フレコンバッグ

ひとつ前のコラムはこちら >>> 注意が必要な建設廃棄物①土砂

建設廃棄物も通常の産業廃棄物と同様、廃棄物処理法に則って適正に処理をする必要がありますが、その中でも以下の建設廃棄物については、その取扱いに注意が必要です。

【4】石綿(アスベスト)

石綿の有害性

石綿は耐火被覆用の吹付け石綿、保温材などに使用されてきた天然鉱石ですが、人体への重大な有害性から、平成16年に石綿を含む大半の建材が製造・使用禁止となり、平成18年に全面禁止となりました。

髪の毛(太さ40µm)の1,000分の1程度の太さ(0.02~0.08µm)の細長い繊維で、一旦空気中に舞い上がると中々沈降しないため、浮遊した石綿を人が吸入することで肺胞に沈着することで、肺がんや悪性中皮腫などの健康被害を引き起こすことがあります。

石綿のリスクは、この「飛散性(大気中に舞い上がったら浮遊してその間に人が吸いこんでしまう)」にあることがわかります。

石綿はいろいろなところに便利に使われていた

石綿には次のような特性があり、建材、摩擦材、シール断熱材などの様々な工業製品に使用されてきました。

●石綿が重宝された理由
吹付けアスベスト

  1. 耐熱性が高く、摩擦にも強い
  2. 防音性が高い
  3. 絶縁性が高い
  4. 耐酸性、耐アルカリ性に優れている
  5. 経年劣化しにくい
  6. 安価である

大半が外国からの輸入で、これまでに日本には1,000万トン輸入され、その8割が建材に使用されてきました。

建材としての主な用途は、セメントに石綿と水を混合して鉄骨の表面に吹付ける「吹付けアスベスト」で、耐火性に乏しい鉄骨の被覆材として1956年ごろから1975年ごろまで使用されていました(現在は石綿の代替として人造鉱物繊維のロックウールが使用されています)。

写真は、国土交通省が出している「目で見るアスベスト建材(第2版)」から引用したものですが、鉄骨の表面に耐火被覆材として使用されている吹付けアスベストの様子がよくわかります。

吹付け以外の用途の例は以下のとおりです。

建材の製品 主な用途
押出成形セメント板 建築物の非耐力外壁および間仕切壁
住宅屋根用化粧スレート 住宅用屋根
繊維強化セメント板(平板) 建築物の外装および内装
繊維強化セメント板(波板) 建築物の屋根および外壁
窯業系サイディング 建築物の外装
石綿セメント円筒 煙突
建材意外の製品 主な用途
断熱材用接着剤 高温下で使用される工業用断熱材同士の隙間を埋める接着剤
耐熱、電気絶縁板 配電盤等
ジョイントシート 配管または機器のガスケット
シール材 機器等の接続部分からの流体の漏洩防止用の詰物
その他の石綿製品 工業製品材料(石綿布等)、ブレーキ(摩擦材)

建築物の解体等における規制

石綿を含む建材の除去作業は、「建設リサイクル法」をはじめ、「労働安全衛生法」「石綿障害予防規則」「大気汚染防止法」により規制され、除去後の廃棄物としての処理については、「廃棄物処理法」によって規制されています。

「石綿障害予防規則」では、石綿の除去の際の発塵量から以下のような作業レベルに分類して、それぞれのレベルに合わせて種々の規制がなされています。

  • 事前調査の義務付け(不明な場合は分析も義務付け)
  • 作業計画の作成
  • 各種届出
  • 石綿作業主任者の選任
  • すべての作業員が特別教育を受講
  • 石綿健康診断
  • 標識の掲示
  • 飛散防止措置
  • 暴露防止措置
分類 作業 石綿含有建材
レベル1
(飛散性アスベスト)
石綿含有吹付け材の除去作業 吹付け石綿・石綿含有吹付けロックウール(半湿式、湿式)、石綿含有吹付けパーライト、石綿含有吹付けバーミキュライト
レベル2
(飛散性アスベスト)
吹付け以外の石綿含有保温材等の除去作業 石綿含有保温材、石綿含有断熱材(煙突・折板裏貼り付け)、石綿含有耐火被覆材
レベル3
(非飛散性アスベスト)
その他の石綿含有成形板及び石綿含有仕上塗材の除去作業 石綿スレート、ケイ酸カルシウム板、押出成形セメント板、石綿吸音天井板、ビニル床タイル等

石綿含有建材の廃棄

「石綿障害予防規則」にて定められたレベル1及び2の石綿含有建材は、飛散性のある「廃石綿等(はいせきめんとう)」と呼ばれ特別管理産業廃棄物に、レベル3の石綿含有建材は、飛散性のない「石綿含有産業廃棄物(いしわたがんゆうさんぎょうはいきぶつ)」と呼ばれ(普通)管理産業廃棄物に該当します。

それぞれ法定された以下のような適正な処理をしなければなりません。

廃石綿等
(飛散性アスベスト/レベル1、2)
石綿含有産業廃棄物
(非飛散性アスベスト/レベル3)
産業廃棄物の分類 特別管理産業廃棄物
(品目:廃石綿等)
産業廃棄物
(品目:「汚泥」「廃プラスチック類」「がれき類」および「ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず」)の4品目

委託契約書とマニフェストには、「石綿含有産業廃棄物である」ことを記載する必要があります(通常のがれき類やガラ陶などとは処分基準が異なるため)。
定義
  • 吹付け石綿を除去したもの
  • 石綿を含む「石綿保温材」「珪藻土保温材」「パーライト保温材」
  • 石綿が飛散するおそれのある保温材、断熱材、耐火被覆材
  • 石綿建材除去作業に使用され、石綿が付着しているおそれのある防塵マスク、作業衣等
建設廃棄物(ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず、廃プラスチック類など)のうち、石綿をその重量の0.1%を超えて含むもの 例:Pタイル、スレート波板など
元請け業者の実施事項
  • 法定保管場所掲示板(縦横60㎝以上)を設置し、プラスチック袋等により密閉して保管
  • 「石綿等」を許可品目とする処理業者(特別管理産業廃棄物の収取運搬業者または処分業者)に委託
  • 特別管理産業廃棄物管理責任者(有資格者)を選任(原則として作業場ごと)
  • 帳簿の備付と保存(原則として作業場ごと)
  • 法定保管場所掲示板(縦横60㎝以上)を設置し、石綿含有産業廃棄物が含まれる旨を記載
  • 仕切りを設ける等、石綿含有産業廃棄物と他の産業廃棄物と混合するおそれのないように保管
  • 保管時は、覆いを設けたり梱包するなどの飛散防止措置をとる
  • 委託契約書に石綿含有産業廃棄物を含む旨を記載し、マニフェストにその旨と数量を記載
処分の方法(処分基準) あらかじめ、固型化、薬剤による安定化その他これらに準じる措置の後に、耐水性の材料で二重に梱包し、「管理型処分場」の一定の場所において、飛散しないように
埋め立て処分を行なう。
「安定型処分場」または、「管理型処分場」の一定の場所において飛散しないように埋め立て処分を行なう。

石綿含有廃棄物等処理マニュアル

環境省は、令和3年3月に石綿含有廃棄物等処理マニュアル(第3版)を公開しました。

詳細はこちら >>> 【環境省】石綿含有廃棄物等処理マニュアル(第3版R3年3月)

従来、石綿含有仕上塗材については以下のように運用されていました。

  • 吹付け工法により施工されたものが廃棄物になったもの⇒「廃石綿等」に該当
  • 吹付け工法以外の工法により施工されたものが廃棄物になったもの⇒「石綿含有産業廃棄物」に該当
  • それを今回の改定で『石綿含有仕上塗材が廃棄物になった場合は、工法を問わず石綿含有産業廃棄物として取り扱うこと』となりました。

    石綿含有仕上塗材を除去する際に水などを使用することで石綿含有仕上塗材が泥状になったものは、石綿含有産業廃棄物の汚泥に該当する可能性があるとしました。

    従来は石綿含有産業廃棄物は「廃プラスチック類」、「ガラ陶」、「がれき類」の3品目に該当するという運用を行なってきましたが、多くの自治体が令和3年11月1日から石綿含有産業廃棄物に汚泥を追加しました。

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