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PCB廃棄物の処理

【1】PCB廃棄物は特管物です

PCB(ポリ塩化ビフェニール)は日本では、昭和29年から製造され、昭和43年におきたカネミ油症事件を契機としてその毒性や環境汚染が社会問題化し、日本では昭和47年以降は新たにPCBの製造が行われていませんが、その間およそ5万9,000トンが生産されています。

PCB廃棄物は、高濃度PCB廃棄物と低濃度PCB廃棄物に分類され、いずれも「特別管理産業廃棄物」として扱います。
 
2016年8月1日に改正PCB廃棄物特別措置法(改正PCB特措法)が施行され、従来PCB廃棄物についてのみ規制されていたものをPCB使用製品まで規制対象を広げ、特に「高濃度PCB」の廃棄物と製品を遅くても2023年3月31日(地域によってはこれより1~2年前倒しで)までに処分を完了させることを目指しています。

高濃度PCB使用製品・高濃度PCB廃棄物とは

PCBが意図的に使用された高圧トランスや高圧コンデンサ、安定器などの電気機器を「高濃度PCB使用製品」といい、これらが廃棄物になったものを「高濃度PCB廃棄物」といいます。

2016年8月1日に施行された「改正PCB特措法」では、「高濃度PCB使用製品」と「高濃度PCB廃棄物」を以下のように定義づけています。

●高濃度PCB使用製品

  1. PCB原液。
  2. PCBを含む油のうち、これに含まれているPCBの割合が政令で定める基準(当該油に含まれているPCBの重量の割合が0.5%)を超えるもの。
  3. PCBが塗布され、染み込み、付着し、又は封入された製品のうち、PCBを含む部分に含まれているPCBの割合が政令で定める以下の基準を超えるもの。
    • 紙、木又は繊維その他PCBが塗布され、又は染み込んだ製品 当該製品のうちPCBを含む部分1kgにつき5,000mg
    • 金属、ガラス又は陶磁器その他PCBが付着し、又は封入された製品 当該製品に付着し、又は封入された物 1kgにつき5,000mg

●高濃度PCB廃棄物

  1. PCB原液が廃棄物となったもの。
  2. PCBを含む油が廃棄物となったもののうち、これに含まれているPCBの割合が政令で定める基準(当該廃棄物に含まれているPCBの重量の割合が0.5%)を超えるもの。
  3. PCBが塗布され、染み込み、付着し、又は封入された物が廃棄物となったもののうち、PCBを含む部分に含まれているPCBの割合が政令で定める以下の基準を超えるもの。
    • 汚泥、紙くず、木くず又は繊維くずその他PCBが塗布され、又は染み込んだ物が廃棄物となったもの 当該廃棄物のうちPCBを含む部分1kgにつき5,000mg
    • 金属くず、ガラスくず、陶磁器くず又は工作物の新築、改築若しくは除去に伴って生じたコンクリートの破片その他PCBが付着し、又は封入された物が廃棄物となったもの 当該廃棄物に付着し、又は封入された物1kgにつき5,000mg

トランス(変圧器)とは、ある交流の電圧をそれより高いか、又は低い電圧に変える装置であり、コンデンサ(蓄電器)とは、 電気を一時的に蓄える、電圧を調整する、位相を変化させる、といった効果を持つ装置です。

これらの機器が、高濃度PCBに該当するのかどうかは、機器の製造メーカーと型式で判別が可能です。

高圧トランス 高圧トランス
トランス内はPCBとトリクロロベンゼンの
混合液(重量比3: 2)で満たされています。
例えば50kVAの場合、約115kgのPCBが
入っています。
高圧コンデンサ 高圧コンデンサ
コンデンサ内はPCBで満たされています。
例えば100kVAの場合、約35kgのPCBが
入っています。
安定器 安定器
コンデンサを内蔵する業務用・施設用
蛍光灯器具の安定器のコンデンサ内の
巻紙のすき間に数十g程度のPCB油が
含浸されているものがあります。

使用中の製品については高濃度PCB廃棄物に該当しませんが、移設して再使用することは禁じられており、機器の老朽化等により使用を止めて電路から取り外した時点で高濃度PCB廃棄物となり、その時点での所有者が高濃度PCB廃棄物の保管事業者となります。

そして一度電路から取り外して廃棄物になったものについては、電路への再施設や譲り渡し、譲り受けが禁止されています。

高濃度PCB廃棄物と高濃度PCB使用製品の処分期限

高濃度PCB廃棄物の保管事業者と、高濃度PCB使用製品の所有事業者の双方に、計画的処理完了期限内に適正に処理をすることが義務付けられています。

地域によって異なりますが、トランスやコンデンサについては、最も遅い地域で2022年3月31日までに、安定器や汚染物については、最も遅い地域で2023年3月31日までと期限が決められています。

また、高濃度PCB廃棄物の保管事業者には、毎年PCB廃棄物の保管状況や処分状況等に関して、高濃度PCB使用製品の所有事業者には、毎年処分計画等に関して、当該年度の6月30日までに都道府県(又は政令市)に届出を行なう必要があります。

低濃度PCB廃棄物(微量のPCBが意図せずに混入した機器等/通称コンタミもの)

製造時にはPCBを使用していないのに、微量のPCBが意図せずに混入した電気機器(微量PCB汚染電気機器)が廃棄物となったもので、メーカーがPCB不含有を証明できないものをいいます。

この場合は、絶縁油中のPCB濃度を分析測定して、PCB廃棄物か否かを確認する必要があり、分析の結果、PCB濃度が5,000mg/kg(0.5%)以下のものを「低濃度PCB廃棄物」といいます。

これらは、後述する廃棄物処理法の無害化処理認定制度に基づき環境大臣が認定した焼却施設で処理することになります。

また、微量PCB汚染廃電気機器等(PCBを使用していないとする電気機器等であって、数mg/kgから数十mg/kg程度のPCBに汚染された絶縁油を含むもの)についても、低濃度PCB廃棄物として適正に処理することができます。

微量PCB汚染廃電気機器等の量は、使用中を含めて、柱上トランス以外の電気機器が約120万台、柱上トランスが約146万台、OFケーブルが約1,400kmと推計されています。

そして、PCB特別措置法により、国内のすべての低濃度PCB廃棄物については、2027年3月31日までに処分しなければなりません。

【2】PCB廃棄物の収集運搬業許可

PCB廃棄物の収集運搬事業を行なう場合には、収集する区域と積卸し区域を管轄する都道府県知事の「特別管理産業廃棄物収集運搬業許可」を取得する必要があります。

他の特管産廃と異なり、運搬車両や運搬容器に細かな規定があり、それらを盛り込んだ「事業計画書」を許可申請時に提出する必要があります。

PCB廃棄物の収集運搬にあたっては、具体的には以下の許可基準を満たす必要があります。

●PCB廃棄物の収集運搬業の許可基準

  1. 業務に直接従事する者(運転者等)がPCB等の性状、事故時の応急措置等の知識及び技能を有している
    ※安全管理責任者と運行管理責任者を各1名ずつ選任し、公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センターが実施する「PCB廃棄物の収集運搬作業従事者講習会(1日)」を受講し、修了試験に合格する必要があります。
  2. PCBの漏洩防止措置を講じた運搬容器を有している
  3. 運搬車等には応急措置設備、緊急時の連絡設備等が備え付けられている

また、PCB廃棄物保管事業者が、自ら運搬を行う場合にあっても、PCBの漏洩防止措置を講じた運搬容器に収納して運搬することが必要です。

環境省より廃棄物処理法に 基づく収集運般に係る基準を遵守するために必要となる技術的な事項について明確化した「PCB廃棄物収集・運搬ガイドライン」及び「低濃度PCB廃棄物収集・運搬ガイドライン」が出ています。

PCB運搬基準

《出典:環境省HP》

「PCB廃棄物収集・運搬ガイドライン」 ⇒ PCB廃棄物収取運搬ガイドライン

「低濃度PCB廃棄物収集・運搬ガイドライン」⇒ 低濃度PCB廃棄物収集運搬ガイドライン

【3】PCB廃棄物の処理

PCB区分

高濃度PCB廃棄物の処理

2001年のPCB特措法(PCB廃棄物をもつ事業者に適正処分などを義務付けた法律)の制定に伴い、高濃度PCB廃棄物の処理施設(中間貯蔵・環境安全事業株式会社:JESCO)が、全国5か所に設置され処理が始まりました。

※JESCO: PCB廃棄物処理事業を行う、政府全額出資の特殊会社
>>> JESCO

「脱塩素化分解」「水熱酸化分解」「還元熱化学分解」「光分解」「プラズマ分解」などの特殊な処理技術により、PCB廃棄物を無害化しています。

PCB廃棄物処理施設である中間貯蔵・環境安全事業株式会社(JESCO)に高濃度PCB廃棄物を搬入する場合は、PCB廃棄物収集運搬業の許可及びJESCOの入門許可を取得している業者に委託する必要があります。

低濃度PCB廃棄物の処理

環境大臣が認定する「無害化処理認定施設(全国で26事業者:平成27年7月現在)」及び都道府県知事等が許可する施設で処理を行なっています。

低濃度PCB焼却

低濃度PCB洗浄

《出典:環境省HP》

これらの無害化処理認定施設は、以下のような特例があります。

  • 処理業の許可が不要
  • 処理施設の設置許可が不要

マニフェストによる運用は必要ですので、排出事業者は契約書に添付する業の許可証の代わりに、認定証の写しが必要になります。

任せなさい他社の依頼を受けて産業廃棄物を運搬する場合は、『産業廃棄物収集運搬業許可』が必要です。

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