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”専ら物”ってナニ?②

このコラムは”専ら物”ってナニ?①の続きです。

専ら物にもなぜか一廃と産廃の別がある

専ら4品目「専ら物イコール産廃」と思われている方がいますが、専ら物は廃棄物ですので、産業廃棄物にあたるものと一般廃棄物にあたるものの2種類があります。

処理業の許可もマニフェストの運用も不要なのであれば、わざわざ「一廃の専ら物」と「産廃の専ら物」を区別する意味がないのではと思われるかもしれませんが、以下の比較表を見てください。

「産廃の専ら物」についてのみやらなければならないことが、ひとつだけあるのです。

一般廃棄物 産業廃棄物
処理業の許可
(収集運搬業と処分業)
専ら業者の特例措置により不要 専ら業者の特例措置により不要
書面による委託契約 一廃なのでもともと不要 必要
マニフェストの運用 一廃なのでもともと不要 専ら業者の特例措置により不要

廃棄物処理法には、産業廃棄物については「委託契約書の運用は不要」という規定がないため、排出事業者が「産業廃棄物に該当する専ら物」を扱う専ら業者に委託する場合は、排出事業者と専ら業者との間で書面による委託契約が必要です。

このことはあまり知られていないので、もし知ってたという廃棄物担当者の方がいらっしゃったら、その方はたぶん相当に廃棄物オタクであると思われます。

委託契約書の詳細はこちら >>> 産廃の委託契約書

必ず”マテリアルリサイクル”されなければならない

専ら業者は「再生事業者(リサイクル事業者)」ですから、言うまでもなく必ず「マテリアルリサイクル」されることが大前提です。

専ら4品目 マテリアルリサイクルの例
古紙
(紙くず)
古紙パルプを使用した再生紙
コンクリート型枠、床材などの古紙ボード
セルロースファイバ(住宅用断熱材)
鶏卵用トレーなどのパルプモールド
古紙利用農業用マルチシート
古繊維
(繊維くず)
中古衣料
ウエス
自動車の内装材フェルト
建材(断熱材など)
作業用手袋(軍手)
クッションの中綿
くず鉄
(古銅等を含む
金属くず)
精錬により純度の高い金属を回収し再利用
空き瓶類
(ガラスくず)
ガラス原料の”カレット”
路盤材
セメントの再生骨材

リサイクル専ら物の処理の委託先が、焼却(熱回収含む)や埋め立てなど「再生利用(リサイクル)」に該当しない処分を行なった場合は、もはや専ら物でなく『廃棄物の処分』に該当することになり、廃棄物処理業の許可を持つ処理業者でなければ委託することができません。

専ら業者に処理料金を支払って4品目を委託する場合は、必ず引き取られた後の処理ルートもしっかり確認しておくことが必要です。

「産業廃棄物に該当する専ら物」に必要な委託契約書には、「受託業務終了報告」という法定記載事項があります。

通常の産業廃棄物では、この終了報告をマニフェストで代用していますが、専ら物ではマニフェストに代わる何らかの形で、排出事業者は専ら業者から終了報告をきちんと受ける必要があります。

専ら物は廃棄物なのですが、マニフェストの運用が不要なので専ら物を引き渡したら終わりと思いがちです。

専ら物が廃棄物である以上排出事業者の責任は免れませんので、信頼に足る事業者を選定するにあたっては、自治体から「再生事業者登録」を受けている業者を検討するのも一案です。

「再生事業者登録」の詳細はこちら >>> 再生事業者登録制度

なぜかしら4品目以外は「専ら物」にならない

前述のとおり、専ら物(もっぱらぶつ)は、廃棄物処理法制定当時からある以下のなじみの深い4種類の廃棄物のことです。

  1. 古紙 (紙くず)
  2. 古繊維 (繊維くず)
  3. くず鉄 (古銅等を含む金属くず)
  4. 空き瓶類 (ガラスくず)

「空き瓶が専ら物ならPETボトルだって同じでは・・・」と思いますが、残念ながらそうなっていません。

鉄くず、ガラス瓶、古紙、古繊維以外にも、PETボトル再生業者、セメント工場、石膏ボードリサイクル工場なども、そのリサイクル率の高さからすると、専ら物として運用しても何ら弊害がないように思えますが、現行の法制度ではこの4品目以外は認められていません。

前述のとおり、廃棄物処理法成立時(昭和45年)に、大昔から問題なくリサイクルをしていたこれらの4品目を扱っていた業者を規制対象からはずすという主旨で、特例措置がとられました。

制定当時からすでに半世紀が経過しようとしています。

法改正によって規制を強めるばかりでなくリサイクルを促進するという観点から、思い切った緩和策も必要ではないかと、毎度PETボトルのお茶を飲むたびに思うわけですが、行政庁としては規制緩和が不法投棄を助長するというリスクは小さくないと考えているのでしょうか。

●【閑話休題】 古繊維は悩ましい
資源ごみマーク 先日「フトンは専ら物の古繊維として扱うことができますか?」という問い合わせをいただきました。

意外な質問に対し回答に窮してしまい、問合せをいただいた方にはたいへん申し訳ないのですが、こんな時の常套手段を使ってしまいました。

「フトンをピックアップする自治体にご確認ください。」

『役所は敷居が高そうだからお宅に電話したのに!』というつぶやきが電話の向こう側から聞こえてきそうです。

受話器をおいてから思ったのですが、この相談者のかたはフトンを何にリサイクルするつもりだったのでしょうか。

フトンの綿では雑巾にはならないでしょうし、工場の工作機械の油をふき取るウエスにもなりそうもありませんが、反毛(針で引っ掻いて綿状の繊維に戻したもの)にしてクッションやぬいぐるみの中綿としては利用できそうですが、どうなんでしょうか。

私の事務所がある神奈川県横浜市では、フトンは粗大ごみに該当し専ら物の古繊維にはあたらないようです。

ちなみに産業廃棄物の”繊維くず”は天然繊維ですが、行政の通知などでは”専ら物の古繊維”がcotton100%の天然繊維でなければダメとはどこにも書いていないので、繊維の材質には限定されないようですが・・・。

少し調べてみましたところ、古繊維については、自治体の判断がまちまちのようですので、ちょっと微妙なものは自分で決めつけるのはやめて、まずは自治体に電話をして確認してみてください。

そうでなければ、初めから通常の廃棄物として扱う方が賢明かもしれません。

それにしても『管轄する自治体に確認してください』というフレーズ、便利だわ。

任せなさい「リスクを回避するために産業廃棄物収集運搬業許可を取得しておいた方がいいかな~」と思われた業者さんは、以下を参考にどうぞ。
>>> 許可取得までの流れ

他社の依頼を受けて産業廃棄物を運搬する場合は、『産業廃棄物収集運搬業許可』が必要です。

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