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安易な「下取り」にご用心!①

みんなやってる、こんな 『下取り』!

下取りに関してお客様からたくさんの問合せをいただきますが、以下の6つの質問に皆さんはどのように回答しますか?

登場人物である、販売業者・製造業者・運送業者(一般貨物自動車運送業許可有り)は、いずれも特別な許可は取得していません。

●以下の6つの質問のうち『廃棄物処理法における正しい下取り』と判断できる行為はいくつあるでしょうか?

Q1
他社製のマッサージチェアを使用していたユーザーに、自社製のマッサージチェアを販売しました。
販売業者自身が他社製品を無償で回収しましたが、何か問題がありますか?

Q2
扇風機を使用しているユーザーにエアコンを販売しました。
販売業者自身が扇風機を無償で回収しましたが、何か問題がありますか?

Q3
電子レンジを販売し納品しました。
納入して3ケ月後に今まで使用していた古い電子レンジを販売業者自身が無償で回収しましたが、何か問題がありますか?

Q4
空気清浄機を販売しました。
古い空気清浄機は、処分費用1,000円をお客様から徴収して販売業者自身が回収しましたが、何か問題がありますか?

Q5
ノートパソコンを販売しました。
古いデスクトップパソコン(ユーザーがAmazonで購入)は、代金1,000円をお客様に支払って販売業者自身が回収しましたが、何か問題がありますか?

Q6
古いソファを無償で引き取る約束でソファを販売しました。
新しいソファの配送を委託された運送業者が、納品と同時に古いソファを回収しましたが、何か問題がありますか?

合法的な 『下取り』 は、意外と難しい

製品の製造者や販売者が、以下の5つの条件をすべて満足していれば、回収品を製造者や販売者の拠点に持ち帰るのに収集運搬業許可は不要であると認められています。

●収集運搬業許可が不要となる「下取り」のスキーム5条件

  1. 新しい製品を販売する(購入と同時の引取りに限らない)
  2. 商習慣として通常行われている
  3. 同種の製品で使用済み(他社製品でも同種であれば可)
  4. 無償で引き取る
  5. 事業者自ら(製品の製造者・販売者)が回収物を運搬する

「認められている」と言っても廃棄物処理法の条文として規定されている訳ではなく、環境省が発出した通知に基づく「解釈」に基づいています。

●平成25年3月29日 環廃産発第13032910 号(環境省)
新しい製品を販売する際に商慣習として同種の製品で使用済みのものを無償で引き取り、収集運搬する下取り行為については、産業廃棄物収集運搬業の許可は不要であること。

一般に下取りというと、買い替えの際に古い製品をいくらかで買い取ってもらうことをイメージしますが、買い取られた古い製品は、中古品として製品自体がリユースされたり、または解体されて一部の高価な部品が他に転売されることになりますから、廃棄物ではないと判断され廃棄物処理法の適用外となります。

買い取りした古い製品を回収するのに収集運搬業許可は、当然必要ありません。

ですからこの記事で論じている『廃棄物処理法における下取り』は、あくまでも『無償で回収する』ことを指します。

冒頭の6つの質問の答えは、この条件にひとつずつ照らし合わせてみるとわかりますが、『廃棄物処理法における正しい下取り』はQ1だけなんですね。

Q5は古物営業法違反の可能性がありますし、それ以外は無許可で他人の廃棄物を業として収集運搬したということで、無許可営業の重い罰則対象になる可能性があります。

「たいへんたいへん!うちの会社はコンプライアンス違反してるかも」と思われた方がいらっしゃると思います。

昔からあたりまえのように商取引の一環でやっていた下取りですが、コンプライアンスの観点からすると意外に難しい行為なんです。

『無償』と『自ら回収』

下取りに来た作業員ポイントは、無償で回収事業者自らが回収の2点です。

処理費用や運送料をもらったり、第三者に回収を依頼したりすると、たちまち「下取りのスキーム」から逸脱してしまいます。

地域密着型の商売をされている「街の事務機屋さん」が、買い替えのためにある企業から注文をいただいた新しいコピー機を自社のワゴン車に積んで納品し、設置試運転が終わったら古いコピー機を無償で下取りとして自社のワゴン車に積んで持ち帰るケースは、まさしく『無償で事業者自らが回収』に該当しますので廃棄物処理法上の産廃収集運搬業許可は不要です(無償で引き取っていますので、古物営業許可の対象からも外れます)。

ただし、古いコピー機を自分の店に持ち帰る間は、「自社運搬(自ら運搬)」になりますので、マニフェストの交付は不要ですが、運搬車両に「産業廃棄物収集運搬車」の表示は必要です。

自社運搬の注意点はこちら >>> 自社運搬に許可は不要ですが・・・

ところで、『自ら回収』という点については、「いやいや、先の環境省の通知では、『事業者自らが収集運搬する』とはなっていないのでは?」と思われた方がいらっしゃるかもしれません。

確かに「事業者自ら」と限定した表記にはなっていませんが、実はこの平成25年の環境省の通知は、それから遡ること34年前の昭和54年の旧厚生省の通知をそのまま踏襲しており、製造・販売事業者自らが客先から廃棄物を回収して持ち帰ることを想定しています。

ですから、『製造・販売事業者から委託を受けた別法人の運送業者まで許可不要であるとは認めていない』というのが環境省の見解です。

●以下の場合は、無許可での収集運搬は認められない

  • 販売事業者から新しい製品の運搬を委託された別法人の運送業者が下取り品を回収する
  • 新しい製品到着後に、販売事業者から委託を受けた別法人の運送業者が下取り品を回収する

排出事業者は誰?

下取りされた古いコピー機については、下取りを行なった企業=「街の事務機屋さん」が排出事業者になり、産廃の発生場所はコピーユーザーのオフィスとなります。

ということは、下取りをしたものが一般家庭から回収した一般廃棄物であったとしても、産業廃棄物の20品目に該当する場合は、産業廃棄物に該当することになります。

前述しました環境省が発出した「平成25年3月29日 環廃産発第13032910 号」の下取りに関する通知では「産業廃棄物」が主語になっていますが、「一般廃棄物」についても準用されていますので、上記の例にある「街の事務機屋さん」と「コピー機」を「街の家具屋さん」と「木製の机」と読み替えることができます。

さて、記事が長くなりましたので、続きは 安易な「下取り」にご用心!② のコラムを御覧ください。

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