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廃棄物と有価物の境い目は?

◆「これは有価物だ!」と主張するには

廃棄物の定義

「廃棄物」は、『占有者自ら利用し、又は他人に有償で譲渡することができないために不要になったもの』をいいますが、廃棄物処理法では、次のとおり定義されています。   

●廃棄物の定義(廃棄物処理法第2条第1項)
「廃棄物」とは、ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体、その他の汚物または不要物であって、固形状または液状のものをいう。

●廃棄物処理法の対象外(環境省通知 環整第43号)

    漁師さん2
  • 気体
  • 放射性物質及びこれによって汚染された物
  • 港湾・河川等の浚渫(しゅんせつ)に伴って生じる土砂その他これに類するもの
  • 漁業活動に伴って漁網にかかった水産動植物等であって、漁業活動を行なった現場付近において排出したもの
  • 土砂および専ら土地造成の目的となる土砂に準ずるもの

有価物と廃棄物の境界線は?

廃品回収車 (2)有価物は、その字のとおり「廃棄物でなく、他人に買い取ってもらえるような価値の有る物」と定義されます。

有価物と判断された時点で、廃棄物処理法の適用外ですから、処理業の許可や委託契約書、マニフェストの運用も不要になるので、ある物が廃棄物ではなく、有価物と判断される場合は非常に大きなメリットがあります。

心ない排出事業者が、この有価物のメリットを享受したいがために「恣意的に廃棄物を有価物として取り扱うこと」は、まさに脱法行為です。

ところが、有価物なのか廃棄物なのかの判定は、ポジティブリストに照らし合わせて判断するというような簡単なものではないので、恣意的でないにもかかわらず、知らないうちに廃棄物処理法に違反していたということが多々ある訳です。

廃棄物処理法では、廃棄物であるか有価物であるかは、「総合判断説」といわれるルールに則って判断されます。

「もっと簡単に判断する方法はないの?」と大半の方は思われるでしょうが、残念ながら法律は「総合判断説」で判断しなさいと言っています。

廃棄物か有価物かの判断基準「総合判断説」とは

環境省は「行政処分の指針」で、廃棄物か有価物かの判別のための判断基準を下記の5項目について具体例を挙げて説明しています。

判断項目 具体例
物の性状
  • 利用用途に要求される品質を
    満足
    し、かつ飛散、流出、
    悪臭の発生等の生活環境の
    保全上の支障が発生する
    おそれのない
    ものであること
  • 実際の判断に当たっては、
    生活環境の保全に係る関連
    基準(例えば土壌の汚染に
    係る環境基準等)を満足すること
  • その性状についてJIS規格
    等の一般に認められている
    客観的な基準が存在する場合
    は、これに適合していること
  • 十分な品質管理がなされて
    いること
排出の状況
  • 排出が需要に沿った計画的な
    もの
    であり、排出前や排出
    時に適切な保管や品質管理が
    なされていること
通常の取扱い形態
  • 製品としての市場が形成
    されており、廃棄物として
    処理されている事例が通常は
    認められないこと
取引価格の有無
  • 占有者と取引の相手方の間で
    有償譲渡がなされており、
    なおかつ客観的に見て当該
    取引に経済的合理性があること
  • 取引の相手方は名目を問わず処理料金に
    相当する金品の受領がないこと
  • 譲渡価格が競合する製品や
    運送費等の諸経費を勘案して
    も双方にとって営利活動とし
    て合理的な額であること
  • 当該有償譲渡の相手方以外の
    者に対する有償譲渡の実績
    あること
占有者の意思
  • 客観的要素から社会通念上
    合理的に認定し得る占有者の
    意思として、適切に利用し
    若しくは他人に有償譲渡する
    意思が認められること
  • 放置若しくは処分の意思が
    認められない
    こと
  • 単に占有者において自ら
    利用し、又は他人に有償で
    譲渡することができるもので
    あると認識しているか否かは
    廃棄物に該当するか否かを
    判断する際の決定的な
    要素とはならない
  • 上記1から4までの各種判断
    要素の基準に照らし、適切な
    利用を行おうとする意思が
    あるとは判断されない場合、
    又は主として廃棄物の脱法
    的な処理を目的としたものと
    判断される場合には、
    占有者の主張する意思の
    内容によらず、廃棄物に該当
    する

「総合判断説」の正しい使い方

現場では「総合判断説」の5項目中から物の性状取引価値の有無の2つの判断基準にウエイトを置いて、対象物が廃棄物か有価物かを便宜的に判定します。
送料別途2ある排出事業者Aが、自分のところで不用になった排出物Wを処分したいと考えたとします。

排出物Wの『物の性状』が「有害性のある物」「悪臭がする物」などのネガティブ要因を含んでいた場合、排出物Wは廃棄物と考える大きな要因となるでしょうから、排出事業者Aは、収集運搬業者と処分業者に適正な処理料金を支払って排出物Wを引き取ってもらいます。

この場合、『取引価格の有無』という観点からみてみると、処理料金を支払っているという事実からしても排出物Wは廃棄物と判断して差し支えないでしょう。

排出事業者Aが、加工業者Bから「排出物Wを工場に持ってきてくれるなら継続的に購入しますよ」というオファーをもらった場合はどうでしょうか。

この場合、『取引価格の有無』という観点からみてみると、排出事業者Aが排出物Wを加工業者Bの工場までの運送料を経費として販売価格から差し引いても、きちんと利益を得られたとしたら、れっきとした有償譲渡ですから有価物とみなす大きな要因となります。

ところが、加工業者Bが遠方にあるためで運送料が高くついてしまい、販売価格から運送料を経費として差し引いたら利益がマイナスかまたはトントンになった場合はどうでしょう(この状態を『手元マイナス(逆有償)』といいます)。

利益がマイナスということは、「処理料金を払って排出物Wを引き取ってもらっているのと同じ」と考えられますから、これは廃棄物と考えても矛盾しませんし、これを有価物と抗弁するには、他に理由が必要になります。

当然ですが「利益がプラスマイナス0」の場合は、もっと悩ましいことになります。

このように、排出物が廃棄物か有価物かは、「物の性状」だけあるいは「取引価格の有無」だけをみて一元的に判断するのは危険です。

「総合判断説」という名のとおり、5つの観点に照らし合わせて総合的に判断しなさいということです。

そうは言っても現場でいちいちこんなことはできないでしょうから、『物の性状』『取引価格の有無』の2点について検討し、それでも判断がつかない場合は「排出の状況」「通常の取扱い形態」「占有者の意思」を補足的に使用するというのが「総合判断説」の正しい使い方です。

『手元マイナス(逆有償)』をもう少し詳しく >>> 手元マイナス(逆有償)の対応

【閑話休題】 これはもう立派な脱法行為です

●買ってもらえる物は何でも有価物だ!
前述の『手元マイナス(逆有償)』のパターンですが、「買ってもらえる物はどんなものでも有価物だ!」という固定観念がそうさせるのでしょうか。

売買契約書や領収書だけで判断すると確かに「売却している」のですが、違うファイルに綴じてある運送会社からの請求書にある運送費を差し引いたら見事に赤でしたという話しです。

監査に引っかからないように巧妙に伝票を操作していたら、これはもう確信犯、立派な脱法行為です。

●相殺してなぜ悪い!
わりと良い値段で買い取ってもらえる有価物と処理費用を支払う必要のある廃棄物を、同じ業者さんに同時に引き取ってもらい、「相殺して全体を有価物として」伝票を切ってしまう行為があります。

「廃棄物が有価物と混ざったら有価物になって合理的」と考えたいのはわからないでもないのですが、廃棄物処理法の主旨を真っ向から否定する行為ですから、心当たりのある事業者さんは今すぐ改善を。

何かトラブルが起きてこの事実が明るみに出た時のことを考えると、私が事業所の廃棄物担当者だったらおそろしくて夜も眠れません。

ちなみに、有価物と廃棄物を混ざらないように区別した状態で同じトラックに載せて運んでもらうことは全く問題ないのですが、廃棄物についてはマニフェストをきちんと運用する必要があります。

「有価物抗弁」の正しい方法

「自分が排出しているもの、回収保管しているものは有価物だ」と主張することを「有価物抗弁」といいます。

行政庁より、「あなたの排出しているもの、回収保管しているものは廃棄物ではないか?」と問われた時に、「総合判断説」に基づいた明快な説明と証明が必要です。

「占有者の意思」だけをことさら主張するだけでは、改善命令や措置命令の対象となりますので、自社で扱っている有価物について、きちんと「有価物抗弁の棚卸」をする必要があります。

有価物と主張していたものが、「それはどう見ても廃棄物でしょう」と判断されたら大変です。

廃棄物処理業許可(収集運搬、処分)が無い場合は、無許可営業となり重い罰則が待っています。


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有価物として判断するための最低条件は

排出事業者が、ある物を有価物と判断するための最低条件は以下のとおりです。

ポイント●有価物抗弁のための最低条件

  1. ☑ 保管方法が適切であり、短期間で性状が変質しない(物の性状)
  2. ☑ 製品として販売でき、処理費を徴収していない(取引価格の有無)
  3. ☑ 排出事業者が有価物だと思っている(占有者の意思)
  4. ☑ 客観的に取引価値・利用価値が認められる(通常の取引形態)

大事なことは、対外的にそれを証明できるように「売買契約書」と「品質管理基準」などをきちんと作成し、継続的な売買取引をしている証拠を残すことです。

それを実現するのが大変な場合は、初めから「廃棄物」として運用したほうが賢明です。

有価物か廃棄物化の判断は自治体によって判断が異なることがありますので、判断に迷う場合は運用の前に所管自治体に確認することが必要です。

有名な判例の紹介

有価物か廃棄物かの判断では、「取引価格の有無」がわかりやすい判断基準なのですが、それだけでは判断ができないのが「総合判断説」の難しいところです。

環境省の通達などにも影響を与えたと言われています有名な判例をふたつ紹介いたします。

●おから裁判 (最高裁第二小法廷平成11年3月10日決定)

総合判断説を認めた有名な判決がこのおから裁判です。
《事件の概要》
処分業許可を持たない飼料会社が、料金を受け取っておからを回収し、それを加工して飼料として販売していた。
廃棄物処理法の無許可営業で、飼料会社が起訴された。

《結果》
おからは「廃棄物である」と結論づけ、飼料会社は有罪となった。

《判決の主旨》
客観的性状、排出状況、通常の取扱い形態、取引価値の有無、事業者の意思等を総合判断してこの場合のおからは産業廃棄物に該当する。
おからは非常に腐敗しやすく、社会的価値が下がる。
通常は無償で牧畜業者等に引き渡されるか廃棄物とみなされ処理がなされている。

●水戸木くず事件 地裁判決 (水戸地裁平成16年1月26日判決)

排出事業者側が手元マイナス(処理費用を支払っている)にもかかわらず、全体としては取引価値が認められるので廃棄物に該当しないという、従来の廃棄物処理法の解釈とは異なる驚きの判決です。
《事件の概要》
建設廃材等の木くずを料金を受け取って受け入れて、処分業許可を受けずに木材チップを製造・販売していた事業者が、廃棄物処理法の無許可営業で起訴された。

略式裁判で水戸簡裁から罰金50万円の略式命令が出たが、チップ加工会社はこれを拒否して争われた。

《結果》
従来の廃棄物処理法の解釈とは異なり、木くずは「廃棄物ではない」と結論づけた。
この地裁の無罪判決は控訴されず、チップ加工会社の無罪が確定した。

《判決の主旨》
木くずが「有償譲渡(料金を取って回収している)」されているからと言って、すぐに「廃棄物」とはならない。

排出事業者にとっては産廃処理費用が安くなり、チップ加工会社にとってはチップの売却費が得られるという、双方にとって利益があるということで、排出事業者側が処理料金を支払っているにもかかわらず取引価値が認められため、木くずは廃棄物ではないとされた。 

●水戸木くず事件 再審高裁判決 (東京高裁平成20年4月24日判決)

排出事業者としては、「えーーー!」という判決です。

あるリサイクル業が「製造事業」と認められれば、廃棄物処理法の規制は及ばないという判決は画期的ですが、「私どもがやっているリサイクル業は、製造事業です」とどうやって証明したらよいのでしょうか。

廃棄物か有価物かの判断をますます難しくしてしまったのではと思います。
《事件の概要》
チップ加工会社の無許可営業が無罪とされた水戸地裁の判決を受けて、すでに無許可業者に産廃の処理を委託したとして(廃棄物処理法の委託基準違反)、略式命令による罰金刑が確定していた排出事業者が、再審請求を行なった。

《結果》
水戸地裁の判決では「廃棄物にはあたらない」とされた木くずが、今度は「廃棄物である」とされ、改めて排出者の有罪が確認された。

《判決の主旨》
リサイクル事業が廃棄物処理法の規制を受けないとするならば、継続性、製造事業として確立している必要がある。

このチップ加工会社は受入量、管理体制、事業計画などから製造事業としての確立はないと判断された。

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