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安易な「下取り」にご用心!②

>>>このコラムは、安易な「下取り」にご用心!① の続きです。

有償で(費用を徴収して)下取りする場合の運用方法

販売事業者が、手数料とか運搬費用と称して他人の産業廃棄物を自社の倉庫に持ち帰る行為は、収集運搬業に該当しますから、産業廃棄物収集運搬業許可(積替え保管あり)が当然必要になります。

収集運搬業許可をもたない業者が回収した場合は「無許可営業」となり、引き取ってもらったユーザーが事業者の場合は「無許可業者への委託」となり、どちらも5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金若しくはこれの併科の罰則対象になります。

下取り回収を運送業者さんに委託する場合の『正しい』運用方法

トラックの運転手2上記のとおり下取りのスキームは『事業者自らが回収』というのが下取りの条件になっていますが、効率的に回収するために通常は運送業者さんに依頼する場合がはるかに多いはずです。

街の事務機屋さんが、コピー機の納品と古いコピー機の回収を自分で行なうのではなく、別法人である運送会社に委託した場合、運送会社は自社の産業廃棄物ではなく他者の産業廃棄物を運搬することになりますので、委託を受けた運送会社は産廃収集運搬業許可が必要になります。

「街の事務機屋さん」は、運送会社との間で「産業廃棄物収集運搬委託契約」を締結し、「街の事務機屋さん」が排出事業者としてマニフェストを交付します。

マニフェストには、「産廃の発生場所=コピー機ユーザー」「運搬の目的地=街の事務機屋さんの倉庫」と記載する必要があります。

この場合、産廃の荷積みの際に通常は「街の事務機屋さん」は現場にいないでしょうから、紙マニフェストではなく電子マニフェストで運用しなければなりません。

そして「街の家具屋さん」から回収の依頼を受けた運送会社が、「木製の机」を回収する場合は、運送会社が市町村ごとに一般廃棄物収集運搬業許可を取得していなければなりません。

これが下取り回収を運送業者さんに委託する場合の『正しい』運用方法ですが、回収するものが産廃ならまだしも、一廃であったとしたらこれは大変厄介、ほぼ不可能としか言いようがありません。

下取りサービスを新たに展開する場合は

このように廃棄物処理法に触れないように、『正しい下取り』を展開するのはとても大変です。

Amazonやヨドバシカメラ、ビッグカメラなどの家電量販店が、家電リサイクル法の対象家電(テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコン)以外の回収サービスを行なっていない理由は、『正しい下取り』の難しさにありそうです。

一方、収集運搬許可が無い運送業者さんが、販売事業者から依頼を受けて下取り回収を行なっているケースが多々あることも事実なのですが、どこかの運送業者さんが、行政からお咎めを受けたというニュースを聞いたことがありません。

もしかしてこのこと自体が「商習慣として通常行われている」というところまで昇華してしまったのでしょうか。

本来であれば、このグレーゾーンに対して行政が明確に指針を示せばよいと思うのですが、残念ながらそうはなっていません。

それゆえに、新たに下取りサービスを展開しようとする場合、「他社もやっているから自社も」というのではなく、グレーゾーンであるがゆえに法的な検証と自治体等への確認などが必要ではないでしょうか。

引取りの際に回収品を買い取る場合の運用方法

引き取りの際に「回収品を買い取る」場合は、古物商許可が必要ですか?という問い合わせをいただきます。

リサイクルショップ街の事務機屋さんや街の家具屋さんが、0円で回収したり費用を徴収して回収する場合は廃棄物処理法の対象ですが、引取りの際に1円以上で買い取る場合は、よほど怪しい業者さんでない限り『有価物』と判断できますから、この時点で廃棄物処理法の対象ではなくなり、今度は古物営業法の対象になります。
 
古物営業法では古物を13の品目に分類しており、コピー機なら「事務機器類」に、木製の机なら「道具類」に該当しますので、管轄する警察署に古物商許可の申請が必要になります。

ただし、かなり限定的ですが古物商許可が不要な場合があります。

●古物営業法第2条第2項第1号
自己が売却した物品を当該売却の相手方から買い受けることのみを行なう営業は許可を要しない。

と規定されていますので、街の事務機屋さんや街の家具屋さんが自分の店(または自分の会社の他の営業所)で販売したコピー機または木製の机を、直接販売した人から回収する場合に限って古物商許可が不要になります。

「他社が販売したコピー機」や、「お客様がAmazonで購入した木製の机」を買い取る場合は、当然に古物商許可が必要になりますし、自分が販売した製品であっても、お客様が第3者に転売してその第3者から回収する場合も、古物商許可が必要になります。

「倉庫にある古いコピー機は、5年前に当社がY社に販売したもので、◯月◯日にY社から3万円で下取りしたものです。古物商許可は持ってませんが、なにか?」

と警察に対して明快に抗弁ができないと(証拠となる帳票類がないと)、それはそれはややこしいことになります。

古物営業法は、「盗品が市場に流通して現金化されることを防止する」ことを目的にしています。

盗んできたモノをわざわざ処分費を支払って他人に引き渡す盗っ人はあまりいないでしょうが、1円以上で売買される場合は「それは盗品ではないか?」と可能性を疑われることになり、ほとんど古物営業法の対象になります。

古物商許可の要・不要は個々の事案ごとにかなりデリケートな判断になりますので、実際には管轄する警察署に確認が必要です。

大丈夫です、大概の警察署(生活安全課)は古物商許可の問い合わせに対し丁寧に対応してもらえます。

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